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衣料管理情報(クリーニング注意情報)「ウエットクリーニングでの着色」

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汗で汚れた夏物衣料を扱うことが多くなる時期は、水洗いによる事故も多く発生する傾向にあります。
今回は不適切な表示が付いていたために生じた事故事例を紹介します。
 
監修/クリーニング綜合研究所
 
ウエットクリーニングによって白地に着色が生じたズボン

衣類の状態

白色のズボンで、腰回り内側に赤色、黒色、ベージュ色のチェック柄の別布を使用している。
表示を参考に30℃程度でウエットクリーニングを行ったところ、内側腰回りの別布と接している部分が赤く着色した。

原因

腰回り内側に使用している別布のチェック柄の染色が不堅ろうであったため、移染が生じたもの。

チェック柄の別布と接触する部分に、赤色の着色が生じている

事故の防止対策

メーカーは、表示した処理に適合する素材を使用する。
あるいは、表示を適正にすること。

水処理をする場合の配慮事項

原則として取扱表示を参照した処理を行うこと。
JIS L0001の各表示記号の場合には対応する試験条件が設定されており、これを上限として処理条件を設定する。

取扱表示記号で水処理を不可とする表示でも、汗などの水溶性汚れを除去するためにやむを得ず水処理を選択する場合には、染色堅ろう度などのチェックに加えて、次のような事項に配慮を必要とする。

1.水による弊害への配慮

洗たく物によっては、収縮、パッカリング、移染、色泣き、変退色、各種加工の脱落など、修正不可能な状態に変化することがある。

このため、品質の確認(予備試験)を厳重に行うとともに、水による処理を行うことで想定される不都合については、利用者の十分な理解および了解を得てから処理すること。

2.環境配慮

過去にテトラクロロエチレンによるドライクリーニングを実施したことが明らかな洗たく物は、テトラクロロエチレンが洗たく水中に溶出して排出される可能性があるため、ウエットクリーニングは避けること。

3.素材別の配慮

■品名…紳士用ズボン
■素材…綿72%、ポリエステル28%
■処理方法… 石油系ドライクリーニングとウエットクリーニング
■取扱い絵表示…
衣料管理情報「ウエットクリーニングでの着色」
 
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