素材のお話

衣服にはいろいろな素材が用いられています。綿や毛のような天然繊維、ポリエステルやナイロン、アクリルのような合成繊維、ダウン、合成皮革や天然皮革、毛皮(ファーといった繊維以外の素材も用いて、ファッションを彩っています。ここではお手入れに関連した一般的な素材の特徴について紹介します。

繊維の種類

綿

綿は植物繊維で、エジプト綿、インド綿、海島綿などがあります。繊維が細くて長いほど高級綿とされ、しなやかかで光沢があります。
綿の形状は細長く扁平なリボン状で、自然のよじれがあります。
綿は植物繊維の中で、最も多く消費される繊維で、丈夫で、吸湿・吸水性があり、家庭でも洗濯できる衣服に多く使われていますが、その反面シワになりやすく縮みやすい性質があります。

毛は動物繊維で、羊から刈り取った毛を「羊毛」、カシミヤ、モヘヤ、アンゴラ等は「獣毛」と称されています。ここでは羊毛の「毛」について説明します。
羊毛には繊維の表面にスケールと呼ばれるウロコがあります。
羊毛はこしがあり、シワになりにくく、かさ高性があって空気を含み保温性にも優れています。一方、濡れた状態でもまれると、繊維同士が絡み合って収縮し硬くなる性質があります。

動物繊維の種類

絹は動物繊維で、カイコの作った繭から引き出され、高級な繊維の1つです。
絹は、その断面が三角形で長い繊維(=長繊維)で、しなやかさと吸湿性に優れています。一方、スレが生じやすく、黄色っぽくなりやすい性質があります。

レーヨン

レーヨンは再生繊維で、木材パルプを原料に人工的に作った繊維です。
レーヨンは絹のように光沢があり、肌触りもよく、吸湿性に優れていますが、濡れた状態では強度が落ちます。ハリやコシがなくなるという性質があります。

3大合成繊維ナイロン、ポリエステルとアクリル

ナイロン、ポリエステルとアクリルなどは石油や石炭を原料として作られる合成繊維です。
一般的に合成繊維は強く、軽く、熱可塑性(加熱して力を加えると簡単に形が変わり、そのまま元に戻らない性質のこと)、虫やカビに抵抗性があります。一方、吸湿性が低く、熱で収縮する・融ける、静電気を発生しやすい性質もあります。
ナイロンは世界最初の強くしなやかな合成繊維です。ポリエステルは合成繊維の中で最も多く生産されています。アクリルは、毛に似た軽くて柔らかい性質があります。

ポリウレタン

ポリウレタンは合成繊維で、ゴムのようによく伸びます。ゴムより劣化しませんが、熱・油・薬品や紫外線に弱く、時間が経つにつれ劣化します。
最近のストレッチ性のある多くの衣類にはポリウレタンが数パーセント入っていますが、ポリウレタンが劣化するとストレッチ性が次第に失われ、時にはポリウレタンが切れて毛羽立ったように生地表面に飛び出すこともあります。

羽毛

羽毛は鳥の体を覆う羽やわた毛のことで、軽くて保温性に優れています。フェザーは水鳥や陸鳥から採った羽根、ダウンは水鳥から採ったわた毛です。
ダウンジャケットやダウンコート等の衣類や羽毛ふとん等の詰め物として利用されています。

天然皮革

天然皮革には、牛革、豚革、羊革等様々な種類があり、光沢のある表皮を利用したものを「銀面」、この銀面を削って光沢を消したものを「ヌバック」、銀面の裏側を使用したものを「スエード」と称しています。
動物の皮革のため、染色堅ろう性が低く、生きている時のキズなどが隠れていることもあり、クリーニングで脱色しやすい性質があります。

合成皮革

合成皮革は、ポリウレタン系樹脂やアクリル系樹脂を編地(ニット地)や布地に塗りつけるコーティングやラミネートしたもので、外観上は天然皮革に見せている素材です。
合成皮革製品は時間が経つとしだいに、べとつく、剥離するといった劣化する性質があります。

天然毛皮とフェイクファー

天然毛皮には、ラビットやキツネ、タヌキ等の様々な種類があります。最近はマフラーとして、コートの衿もとやセーターとの組み合わせなどの部分使いの衣服も目立ちます。天然毛皮は保温性に優れていますが、草食動物のラビットなどでは耐久性が弱く毛抜けなども起こりやすい性質があります。
天然毛皮に似せた素材として「フェイクファー」があります。「フェイクファー」は、天然皮革の毛の部分をアクリルやアクリル系繊維の合成繊維のパイルで作られています。熱に弱い性質があります。