お手入れ情報

日本には「衣替え」の習慣があります。春夏秋冬の衣替えの時期に適した、また日常のお手入れがあなたの大切な衣類をきれいに長持ちさせるポイントです。

保管前のアドバイス

その1 家庭で洗えるものとクリーニングに出すものを分けましょう。
その2 クリーニング店にシミや汚れの部分、その原因などを伝えましょう。
その3 クリーニング後に衣類からポリ包装を取り外し、風を通してからしまいましょう。
その4 衣類の収納場所を掃除してからしまいましょう。
その5 衣類をクローゼット、タンスや衣装箱に収納や保管する場合、詰め込みすぎないようにしまいましょう。
その6 衣類カバーは通気性のある不織布タイプのものを利用しましょう。
その7 ハンガーは衣類の形にあったタイプを選んで、型崩れを防ぎましょう。ただし、ニット製品は衣類の重みで型崩れしやすいので注意しましょう。
その8 防虫剤は1種類のみ。衣類の上に置いて、重ねた衣類の間にも入れましょう。
その9 長期間保管する場合には、密閉性の高い衣装箱に乾燥剤を入れて、カビを防ぎましょう。
その10 必要に応じて衣類の保管サービスも上手に利用しましょう。

衣替え 秋冬編

衣類に付いている汚れは、クリーニングに出して早めに取り除いておきましょう。特に秋冬衣類は家庭で洗えるものが少ないため、洗たく回数も少ないはず。保管前にはしっかりクリーニングに出しましょう。

1.衣類の汚れの状態をチェック
スーツやジャケット、コート類 セーターなどのニット類
スーツ、ジャケットやコート類の袖口や衿周りは意外に汚れているものです。また、ロングコートは裾付近のチェックもお願いします。階段の上り下り等で知らず知らずに引きずっていることも多いのでスレが生じていることもあるのです。 セーターなどニット類は、着用中にこすれやすい脇や袖に毛玉ができていることがあります。
2.しまい方を工夫する ~シワと型崩れに注意
スーツ、ジャケットやコート類 セーターなどのニット類
スーツ、ジャケットやコート類などの保管には、幅の広いハンガーを使ったり、肩や袖にタオルなどを入れたりしてタンスに吊るし、シワと型崩れを防ぎます。 セーターなどのニット類はハンガーに掛けたまま長期間保管しておくと、その重みで形が崩れることもありますので、なるべくたたんで保管しましょう。
3.衣類を虫から守るために ~防虫加工や防虫剤を活用~
秋冬用の衣類はウール、カシミヤ、アンゴラ、モヘヤ…といった素材を多く用いており
“衣類を食べる虫”の好物がいっぱい。
・おしゃれ着など大切なものには、クリーニングで防虫加工してもらうこともお勧めです。
・防虫剤のガスは空気よりも重いので衣類の上に置くと効果的です。衣類をたくさん重ねるときは、衣類の間にも入れましょう。
・防虫剤のガスが行き渡るように、衣類をたくさん詰めこまないことも大切です。
・2種類以上の防虫剤を同時に使うと、反応してシミの原因になることがあります。防虫剤は1種類だけにするのが原則です。

衣替え 春夏編

衣替え 春夏衣類編

湿度が高く、汗をかく夏…衣類に付着した汗汚れをクリーニングに出して早めに取り除いておきましょう。

1.衣類の汚れの状態をチェック
スーツやジャケット類 パンツやスラックス類
スーツ、ジャケット類の袖口や衿周り、ポケット口は意外に汚れているものです。また、汗などの水溶性汚れも広範囲に付着しています。 パンツやスラックス類は太ももやひざの裏、ポケット口などにも汗などで汚れています。
2.しまい方を工夫する ~シワと型崩れに注意~

しまい方の原則は秋冬編と同じです。

衣替え 素材編

1.合成皮革製品

合成皮革製品

合成皮革のジャケット、パンツをお持ちですか?
合成皮革の素材は、独特の光沢を出したもの、あるいは天然皮革に似せたものなど、様々なバリエーションが楽しめます。軽くて日頃のお手入れもラクなため定番素材になっています。
ただ、ひとつ注意してほしいのが、着ても着なくても合成皮革は時間が経つにつれてべとついたりはがれたり(剥離)して劣化するということ。日頃、汚れがついたまま放置しておくとその部分が劣化しやすくなります。
次のシーズンまで保管する時は必ずクリーニングしましょう。ただ、劣化しつつある合成皮革製品はクリーニング店で受け付けてもらえない場合もありますので、ご了承ください。

日頃のお手入れ方法

中性洗剤を薄めた液に浸した布(あるいはタオル)をよく絞って拭きます。はじめに目立たない部分で影響がないかどうかを確認します。次に、汗や汚れが付着している部分のみ、表面がキズつかないように拭きましょう。
その後は、洗剤が残らないように水に浸してかたく絞った布でそっと拭きましょう。洗剤が残ると劣化を促進することもあります。最後によく乾かしてください。

2.天然皮革・天然毛皮製品

ここ数年、天然皮革や天然毛皮の素材をワンポイントとして部分的に用いているジャケット、コート類やニット類を見かけます。
皮革や毛皮はデリケートな素材で、家庭では洗濯できない素材といっても過言ではないでしょう。クリーニング店でも強いクリーニングができないので、著しい汚れや固着した汚れは除去できないこともあります。日ごろのこまめなお手入れが重要です。
皮革も毛皮も元は生きた動物です。クリーニング後に動物固有の生体のキズが現れることもあれば、クリーニングや空気の湿気・水分によって寸法が変化したり、経時劣化したりすることもあります。
ただし汚れは変色、黄変、虫害、カビの発生の原因となります。保管前にはクリーニングでしっかり汚れを落としましょう。

天然皮革・天然毛皮製品
天然皮革・天然毛皮製品
日頃のお手入れ方法
天然皮革製品の場合、着用後は軽くたたいたり、ブラシ掛けをしたり、乾いたタオルで拭いたりして汚れやほこりを落としてください。低温で湿気が少なく、光の当たらない風通しのよいところで収納してください。
天然毛皮製品も天然皮革製品と同じように低温で湿気が少なく、光の当たらない風通しのよいところで保管してください。高級な毛皮は専門業者の保管サービスがお勧めです。
3.カシミアなどの獣毛製品

カシミアなどの、コートやセーターは人気のアイテムです。
ソフトな風合いが魅力ですが、毛が細く、非常にデリケートな特徴のある素材です。カシミアはカシミア山羊から採取される毛で、光沢があります。
汚れは変色、黄変、虫害の発生の原因となります。家庭洗濯ではカシミアなどの獣毛製品のソフトな風合いを保つことが難しいです。保管前にクリーニングでしっかり汚れを落としましょう。
虫食いを避けるために防虫加工も有効です。

日頃のお手入れ方法
着用後の毛並みのある製品は、毛ブラシで毛並みを整えてください。その際、柔らかいブラシを寝かせて使うなど、ソフトに扱ってください。デリケートな素材なので過酷な条件下での着用は避けましょう。